プロ野球・巨人の選手による賭博関与がまた明らかになり、ネット上などでは、「まだいるのではないか」との憶測が流れている。
2015年10月に賭博疑惑が発覚してから半年もたっていない中での新たな不祥事に、「これで公式戦を戦うのか」という疑問の声も出てきた。
公式戦は、「ぜひ参加させてもらいたい」
今回の賭博疑惑を報じた週刊文春が2016年3月8日夜にサイト上で記事を流すのとほぼ同じころ、巨人も読売新聞東京本社で会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたことを明らかにした。
それによると、高木投手は、賭博関与で巨人を解雇された笠原将生元投手(25)から誘われ、14年に巨人以外の8、9試合にお金を賭けて、50~60万円負けた。それ以来はやっておらず、八百長も否定しているという。
文春からの取材が入った2月29日の翌日、球団が高木投手に事情聴取したところ、高木投手は、疑惑を否定した。しかし、家族らに説得されて、3月8日朝になって球団に関与したと申し出たという。それまでは、関係者と口裏合わせをして、ウソを付いていたとしている。高木投手は、8日付で謹慎処分となり、笠原元投手ら3選手と同様に解雇される見通しが報じられている。
巨人は会見で、疑惑発覚時に膿を出し切れなかった責任だとして、ナベツネこと渡辺恒雄最高顧問(89)ら球団幹部3人が辞任することを発表した。一方で、25日から始まる公式戦については、「ぜひ参加させてもらいたい」と辞退しない意向を示した。
とはいえ、野球賭博については、まだ関与した選手がいるのではないかと一部報道で指摘されており、ネット上では、「まだ氷山の一角だろ」などと見る向きは多い。
渡辺恒雄氏、しばらく様子を見てから復帰?
高木京介投手は、これまでの3選手とは違って一軍の主力選手で、中継ぎ投手として初登板から139試合連続負けなしと記録を更新している実力の持ち主だ。それだけに、根拠はまったくないものの、巨人は、高木投手をかばっていたのではないかとの憶測も出て、ネット上では、「ナベツネを盾にして何人かのスター選手を隠してるのではないのか」とのうがった見方まで出ているほどだ。
渡辺恒雄氏も、最高顧問を形だけ辞めたのではないか、といった指摘も多い。
2004年に発覚した大学生への裏金提供問題でオーナーをいったん辞任したものの、わずか1年足らずで球団会長に復帰しているからだ。渡辺氏は現在も、最高実力者に当たる読売新聞グループ会長・主筆のままだ。マスコミに囲まれても、最高顧問辞任については何も話さなかったと報じられており、今回も、しばらく様子を見てから復帰するのではとの観測も出ている。
これに対し、ネット上では、「球団は、自らは被害者ぶって告発してる」「厳しいペナルティがないのはおかしい」「巨人は一年くらい試合の出場を停止にしろ」といった批判の声が相次いでいる。
警視庁は、高木投手を任意で事情聴取する方針だと報じられており、球団が本当に膿を出し切るかは、捜査の行方次第になりそうだ。