国連女子差別撤廃委員会が2016年3月7日に発表した日本に関する最終見解で、男系男子のみが皇位を継承できることを定めた皇室典範が女性差別だとして、見直しを求める内容が最終案に盛り込まれていた。新聞各紙が3月9日朝刊で報じたことを受け、菅義偉官房長官が同日午前の記者会見で事実関係を明らかにした。
国連委側は、先週末に日本政府に原案を提示。2月に行われた日本に対する審査会合では、皇室典範は議題になっていなかったことから、日本側は手続き上問題があるとして削除を要求。最終的には「見解」に皇室典範に関する記述は盛り込まれなかった。
菅氏によると、日本側は
「我が国の皇室制度も諸外国の王室制度も、それぞれの国の歴史や伝統が背景にあり、国民の支持を得て今日(こんにち)に至っている。そもそも、我が国の皇位継承のあり方は条約の言う『女子に対する差別』を目的としていない。ここは明らか。委員会側が我が国の皇室典範について取り上げることは、全く適当ではない」
などと抗議したという。