米国人は「アレルギー」のひと言で済ませる
このように、米国のオーガニック系スーパーでは花粉症対策のサプリが見つかります。ただ、親子でマツやジャカランダの花粉に反応するという日本人の友人は、サプリではなく市販のアレルギー薬に頼っていると話しました。当地のドラッグストアで処方箋なしに買えるアレルギー用の薬は、眠気をもよおすこともなく、くしゃみを抑えてくれるので、日本へのお土産に買って帰る人もいると聞いたことがあります。友人曰く、「医者に処方された薬は子どもには強すぎる」そうです。
別の友人夫婦は2人とも花粉症なのですが、量販店「Costco(コストコ)」で買えるアレルギー症状を緩和する薬、「allergy aller-tec (室内・屋外用)」を毎日飲んでいると教えてくれました。奥さんは、それに加えて、主治医に処方してもらった鼻のスプレーも毎朝1回使っています。
花粉症は英語で「Hay Fever」と表現しますが、実は正直、当地ではなかなか耳にしない言葉です。ただ花粉症が存在しないわけではなく、「アレルギー」という言葉でまとめられているようです。今の季節にくしゃみをしている米国人に「風邪ですか」と聞いたら、たいてい「Allergy(アレルギー)よ」という答えが返ってきます。さらに「何のアレルギー?」と尋ねると、「家の前の公園で花粉がたくさん飛び始めて、黄色いものが舞っている。あれのせいよ」と、とてもあいまいな返事がきます。花粉が原因とうすうすわかっているようですが、何の花粉かは気にしないようです。実際、はっきりと何の植物に対するアレルギーか聞いたことはありません。
「no nuts」や「nuts free」のようなナッツアレルギーに対する徹底ぶりとは大違いです。生死にかかわるナッツアレルギーに比べたら、薬で症状を抑えられる花粉アレルギーはたいしたことがないという考えなのでしょうか?
●筆者プロフィル
北雨利香。南カリフォルニア在住。2児の母。40歳をこえた途端に、定期健康診断で毎回のようにひっかかり、医者にサプリを飲むよう指導される。興味のあることは美容、健康、子供の教育、米国プロスポーツ、米国大統領選挙、ハリウッドゴシップ。