「仮想通貨」は日本では「通貨」じゃない 法改正で生まれる「財産的価値」とは?

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「イスラム国」のテロ資金に使われた疑いも

   法規制を迫られた背景の第一は、MTGOX社の破たん後も仮想通貨、とりわけその9割弱を占めるビットコインの取引が急拡大していることだ。現在、世界全体で約1000万人と利用者は1年間でほぼ倍増。日本でもビットコイン利用者は数万人に上り、主に国内の7取引所を経由して取引されているという。

   利用者は携帯電話番号やメールアドレス、本人確認書類などをもとにビットコインの「財布」を作り、スマートフォンやパソコン経由で数十円単位から売買できる。世界では欧米の大手銀行を含め、仮想通貨は新たな決済手段として技術開発を急速に進めており、金融庁を監督官庁として、利用者保護を図り、技術開発も進める必要があった。

   もう一つ、資金洗浄疑惑も、仮想通貨への規制を後押しした。過激派組織「イスラム国」(IS)へのテロ資金では仮想通貨が使われていると疑われることもあり、世界の金融当局がテロ資金を含む犯罪絡みの資金の規制を強化していて、主要7か国(G7)も仮想通貨の監視強化で合意している。今回の法案は、その流れで、安倍晋三首相が議長を務める5月下旬のG7の伊勢志摩サミットへの「手土産」に間に合うギリギリのタイミングだった。

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