日本マクドナルドホールディングス(HD)のある店舗が「食べ放題」プランを実施しているとの情報が、インターネットで話題になっている。
「(食べ放題に)行きたい」と注目を集める一方で、その割には実際に見かけたという報告が少ないようで、本当なのかと疑問の声も出ている。
「いったいどこでやってるの? それを教えて!」
今回の「食べ放題」プランの情報は、あるツイッターユーザーの投稿(2016年3月6日)がきっかけ。「【速報】マックで食べ放題始まる」と文字で説明し、メニューの写真入りでつぶやいた。
メニューには、チキンマックナゲットとマックフライポテト、ソフトツイスト(ソフトクリーム)、各種ドリンクなどが載っている。ツイッターでは、注文したセットメニューを食べきって、トレーをカウンターに持っていくと「おかわり」できると説明している。大人は1480円、高校生まではなら700円で食べ放題になるという。
インターネットには、
「マックで食べ放題って、マジ?! 絶対行くけど(笑)」
「全国展開してほしい... あと、マックシェイクも入れてほしい」
「ハンバーガーも食べ放題にしてよ」
「マックの食べ放題なんてあるんですか? 初めて聞いた」
「いったいどこでやってるの? それを教えて!」
といった、歓迎の声が寄せられている。
その一方で、
「正直行く気にはならんかな。そうそう大量に食べられるもんでもないでしょ」
「ビッグマック何個分? 元とれる気がしない」
「マックで食べ放題されても。これならピザの食べ放題に行くな」
「1400円って... ふつうに買っても結構食えるぞ。あまりオトク感がないよ」
などの冷ややかな見方が交錯。また本当に食べ放題を実施している店があるのか、といぶかる声もある。
とはいえ、こうした情報が瞬く間に拡散した。
ところが、この情報に一番驚き、慌てているのは、当の日本マクドナルドHDだ。J‐CASTニュースが3月8日に取材したところ、「まだ事実確認ができていません」と明かす。食べ放題を実施している店舗があるのか、ないのかも把握できていないという。
じつは、同社は2010年1月20日~2月14日に、東京都内の代々木店や早稲田駅前店などの5店舗で「食べ放題」を実施したことがある。当時、このイベントに日本マクドナルドHDは「公式には、食べ放題はしていません」とコメント。「店舗が独自にサービスを展開することができるため、可能性はありますが、現在のところ、こちらに情報は入っていません」などと話していた。
今回、「食べ放題」の情報が広がった際に、こうした2010年の書き込みなどが改めて拡散されたため、「(本当だとすれば)どこの店舗で実施しているのか」、現状把握に躍起になっているようだ。
期間限定などの条件を満たしていれば、「食べ放題」認める
日本マクドナルドHDは今回の取材に対し、「2010年のとき、食べ放題の実施を認めていたことはあります。店舗によって店質や来店する顧客層も違いますから、期間限定などの条件を満たしていれば、こうしたもの(イベント)は認めています」とあらためて説明。実施店舗もきちんと把握していたという。
一方、コーヒーの「無料」おかわりサービスを実施していた店舗について、本社から「禁止命令」が下りて中止されたことがあった。「コーヒーのおかわりサービスは、実施している店舗と実施していない店舗が混在して、本社でも把握しきれなくなりました。このときはサービスの公平性の点から、そういった状況はよくないとみて、全店で中止の判断をしました」としている。
日本マクドナルドHDが2016年3月4日に発表した2月の売上高は、既存店ベースで前年比29.4%増と大きく伸びた。客数も13.7%増、客単価は13.9%増え、客数は2か月連続、売上高と客単価は3か月連続の増加と、ようやく上向いてきた。
2月は、同社で初めて商品名を公募して決めた「北のいいとこ牛っとバーガー」を販売。ネーミングの募集には14日間で500万件以上の応募が寄せられ、大きな話題となった。おてごろマックも好評。スイーツの新ブランド「By McSWEETS」の展開もはじまった。
業績回復に勢いをつけたいマックにとって、今回の騒動は「吉」とでるのだろうか。