中国・上海を拠点に活動するAKB48の姉妹グループ、SNH48のメンバーが大やけどを負ったニュースは、中国の芸能メディアでも大きく取り上げられている。当初は知人との口論の末、持っていたライターの火が何らかの原因で服に燃え移ったとみられていたが、事故当時に近い服装で再現実験したところ、火は燃え広がりにくいという指摘も出ている。
実験の結果を踏まえると、人為的に可燃物を投げつけるなどしないと大やけどを負う可能性は低いとの指摘もあり、大やけどが「事件」なのか「事故」なのか、様々な憶測が広がっている。
検証実験では息を吹きかけるだけで鎮火
大やけどを負ったのは、タン・アンチーさん(23)。2013年に2期生としてSNHに加入し、73人が立候補した15年の「選抜総選挙」では28位にランクインする人気メンバーだ。複数の中国メディアによると、3月1日にタンさんが知人と2人で上海市内のコーヒーショップにいたところ、タンさんが突然炎に包まれて全身の80%にやけどを負った。口論するような声が聞こえた直後に、助けを求める叫び声が聞こえたという情報もある。微博(ウェイボー)のSNH48の公式アカウントによると、3月4日に1回目の皮膚移植手術を受けたが「今後1か月は菌に感染しやすい時期で、危険な状態を脱していない」と、予断を許さない状況だ。
当初の「火が服に燃え移った」という見方は、3月3日に中国のネットメディア「好奇実験室」が公開した検証実験の動画で覆されつつある。実験動画では、当時タンさんが着ていたものと似た素材の服に火をつけたが、息を吹きかけるだけで鎮火。アルコールをかけた上で再び火をつけると、服はあっという間に溶けてぼろぼろになってしまった。そのため、この動画では、何らかの可燃物がなければ大やけどするまでに燃え広がるようなことはないとの見方をしている。
中国のネット上には、事故当時のものだとされる写真が拡散中だ。写真左側にはタンさんとみられる火に包まれている人影、右側にはその様子をじっと見つめる人が写っている。
右側の人の手元には液体の瓶のようなものが写っており、右側に写っている人がタンさんに何らかの危害を加えたとの見方も出ている。だが、この拡散されている写真が本当に事故当時のものかどうかは明らかではなく、SNHの公式アカウントでは
「皆さんに対して、事実でないことを拡散するのをやめるようにお願いしたい」
と呼びかけている。