格安「お坊さん便」批判したら大ブーメラン 全日本仏教会が示した「反省」と「徹底抗戦」

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「中間マージンを企業が取ると、お布施と呼べなくなってしまう」

   同社は、お坊さん便に登録する僧侶について、こう説明する。

「都市部にある寺院のお坊さんが多いです。皆さん『新しいつながりを作りたい』『困った人に手を差し伸べたい』意識を持たれています。生活に困窮して登録する、というパターンは少ないですね。中には寺院を経営していらっしゃる方もいます。ただ、地方は寺院を中心にしたコミュニティが未だ生きているのか、登録者が少ないですね」

   また、全日本仏教会からの批判には「まだ(同会から)コンタクトがないので、コメントは差し控えます」とことわりながらも、

「寺院とのつながりがなく困っている人を助けたい、仏教の心を残していきたい、という点では同じ方向を向いているのではないでしょうか」

と語った。

   一方の全日本仏教会は、どう反対していくのか。同会の広報文化部担当者に聞くと、意外にも「人々と寺院をつなげる1つの手段だとは思っています。登録している僧侶を排除する気もありません」との回答だった。そのうえで、「世間との意識のズレ、伝統仏教が時代に追いついていないという感覚は強くあります」と反省の弁すら述べた。

   抗議文を送付する前の15年12月、同会の斎藤明聖理事長はアマゾン批判の談話を同会公式サイトで発表していた。しかし発表後、「ものすごくたくさんの批判」が寄せられたという。抗議文とはやや印象の異なる「謙虚さ」は、そこに由来しているのかもしれない。

「逆に、叩かれているうちが華なのかな、とも思います。私達は今まであまりに無策でした。何もしてこなかった。その結果、会員が(お坊さん便に)登録せざるを得ない状況を招いてしまいました。加盟宗派と問題意識を共有し、一刻も早く現状を変えなければなりません」

   ただやはり、布施の定額表示化には強い拒否感を示す。

「お布施は寄進という名目の『宗教行為』だから無税なわけです。企業が中間マージンを取ってしまうと、それはもうお布施と呼べない。宗教行為の本質を壊してしまう。変えなければばらないところと、絶対に変えてはいけないところがあるのです」

   果たして、双方の主張の溝は埋まるだろうか。

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