シャラポワ「禁止薬物と知らなかった」 「うっかりドーピング」重すぎる代償

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   女子テニスで世界的に人気のマリア・シャラポワ選手が2016年3月7日、ドーピング検査で陽性反応が出たと、自ら会見して明らかにした。10年間服用していた薬物が同年1月1日から禁止リストに入った事実を知らなかったという。

   選手本人の不注意で違反となるこうしたトラブルは、しばしば起きている。

  • 米ロサンゼルスで会見したシャラポワ選手は、ドーピング検査で陽性反応が出たと明かした(写真:AP/アフロ)
    米ロサンゼルスで会見したシャラポワ選手は、ドーピング検査で陽性反応が出たと明かした(写真:AP/アフロ)
  • 米ロサンゼルスで会見したシャラポワ選手は、ドーピング検査で陽性反応が出たと明かした(写真:AP/アフロ)

風邪薬、サプリ、花粉症の点鼻薬も「勝手に使うな」

   シャラポワ選手は2006年以降、「メルドニウム」という薬物を服用していた。不整脈など健康上の理由から、医師から処方されたものだ。2016年1月の全豪オープンでドーピング検査を受けた際に、違反が発覚した。世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止薬物リストに、メルドニウムが2016年初めから新たに加わったためだ。

   2016年3月8日付のCNN(日本語版)記事によると、WADAは2015年9月にメルドニウムを禁止する方針を決め、同年12月22日にはシャラポワ選手にもWADAから禁止薬物の更新版が通知されていたが、その確認を怠ったという。シャラポワ選手は「大きな過ちを犯した」と自身の責任を認めたが、意図的な禁止薬物の使用ではなく、あくまでもミスによるものだと主張した。

   「知らなかった」「忘れていた」が原因の「うっかりドーピング」。本人に悪意はなくても、結果的には「違反」として厳しい処分が下される。日本国内の各競技団体はこれを防ごうと、広報活動をしている。

   例えば日本サッカー協会(JFA)のウェブサイトには、「ドーピング禁止薬物は市販されている風邪薬にも含まれる場合があり」「サプリメントも実は危険......ドーピング禁止物質を含む可能性が非常に高い」と注意を呼びかける。サプリや薬を服用する場合は、メディカルスタッフや監督、コーチといったチーム関係者、日本薬剤師会や日本アンチ・ドーピング機構(JADA)認定の公認スポーツファーマシストに相談するよう促している。選手が勝手に「大丈夫」と判断するのはリスクが高い。

   サッカージャーナリストの石井紘人氏はJ-CASTヘルスケアの取材に、「Jリーグでは、選手が薬を服用する場合は必ずチームのドクターに確認します」とこたえた。ドクターはWADAの禁止薬物規定に詳しく、「今の時期なら、例えば花粉症の選手に対して、勝手に点鼻薬を使わないよう指導しています」。若手の新人選手や、新たにチームに加わった外国人選手にも研修を通して禁止薬物の排除を徹底しているという。

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