国連の女性差別撤廃委員会は2016年3月7日、対日審査会合を踏まえた「最終見解」を発表した。いわゆる従軍慰安婦問題については、旧日本軍が行った「深刻な人権侵害」だとして、「指導者や政治家」が元慰安婦の女性を傷つける発言をしないように求めた。15年末の日韓両政府による合意についても、「被害者を中心にしたアプローチが取られていない」と批判。金銭的な賠償や公式な謝罪を行うように求めた。「見解」には「性奴隷」という言葉は登場せず、「慰安婦」に統一された。
菅義偉官房長官は3月8日午前の会見で、
「日本政府の説明内容を十分に踏まえておらず、きわめて遺憾であり、受け入れられない」
などと見解を批判した。