「どれだけ不足しているのかもわからない」 バス運転手不足は「深刻」さを通り越した

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35のバス事業者の97%が「運転者不足による影響を実感している」

   一方、バスの事業者数(乗合、貸切の合計)は6648社(15年3月末)。このうち、ツアーバスなどの貸切バスは2000年2月の規制緩和で免許制から許可制になったことで、参入事業者が増加。規制緩和前に2300社ほどだった事業者数は、2015年3月末に4477社まで急増した。

   ただ、国土交通省は、「乗合バスは増えていますが、貸切バスは関越道の事故(2012年4月)後に規制を強化した影響もあって減る傾向にあります」と話す。

   そうしたなか、国交省がバス事業者に実施したアンケート調査によると、アンケート・ヒアリング対象の35社の97%が「運転者不足による影響を実感している」と回答した。また、2011年に日本バス協会が実施したアンケート調査でも、車両数が200両を超える大規模事業者の7割強が「現在、運転者が不足している」と回答。「5年後に不足する」を合わせると8割以上が「不足」と答えた。

   最近では2016年1月20日に、東京都大田区蒲田の環状8号の交差点で大型観光バスが中央分離帯に進入、信号の支柱に衝突した。3月4日には、大阪市住吉区で、大阪市営バスが道路脇の電柱などに接触した。男性運転手(47)には持病がなかったが、運転中に意識がもうろうとしたという。バス運転手の事故は後を絶たない。

   さらには、15年12月に東京・豊島区池袋で停車中の大型観光バスが出火して座席などを焼いたり、長崎県雲仙市で停車中の大型観光バスが出火して車体中央部が炎上したりした、車両の老朽化が原因とみられる火災も相次いだ。

   国交省九州運輸局は、「バスの運転手不足だけではありません。整備士だって不足しています」と、深刻な現状を明かす。

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