死んだらどうなるかは人生の最大の関心事だが、科学の観点から死んだ体に何が起こるかを解説した動画が話題になっている。
カナダの科学者ミッチェル・モフィット氏とグレゴリー・ブラウン氏が動画サイト「Asap SCIENCE」で2016年3月3日にインターネット上に公開した「What Happens When You Die?」がそれだ。
天国に行くかはともかく「運がよければ花が咲きます」
「Asap SCIENCE」は、2人が中心になって主宰しており、ホワイトボードに次々とカラフルなイラストを書き込み、わかりやすく解説するのが特徴。これまでも「ニワトリと卵どっちが先?」「ダイエット対エクササイズ」「男に乳首がなぜあるの?」「催眠術になぜかかる?」「ニキビの治し方」など様々なテーマを紹介している。
「死んだらどうなる?」は、死ぬと天国に行くのか、人間には霊魂があるのかといった精神的・宗教的な問題はいっさい切り捨て、死んだ体がどのような過程で分解され自然に戻っていくかを、実もふたもないリアルさで紹介している。こんな具合だ。
(1)死から数秒後、体内に残っていた酸素がなくなっていき、神経が活動をやめる。脳もホルモンの分泌をストップ。
(2)体内に残るリン酸の作用で筋肉が弛緩し、尿や便・胃液などが体内から放出される。
(3)死後15~25分、心臓がストップしたことで血液の循環が止まり、血液は重力により体の低い位置に沈下。数時間後、沈下した血液が皮膚の表面に紫色に現れ「死斑」をつくる。
(4)3~6時間後、リン酸がなくなると弛緩から一転、筋肉の硬直が始まり、24~48時間続く。臓器内に残存する酵素の働きにより自己融解が始まり、細胞が腐敗していく。
(5)1兆個の体内微生物が体の分解を促進。体内バクテリアが腹部の臓器を食べ始める。腐敗臭におびき寄せられたダニやハエが卵を産み付ける。卵は1日で孵化し......。
最後はすべて土に帰り、「運がよければ花が咲きます」と、ほのぼのとしたイラストで生命の営みの現実を紹介している。