「昔から『早く働きたい』という学生はいた」
J-CASTニュースが3月4日、ユニクロに、「卒業旅行にも行けないの?」と聞くと、
「そんなことはありません。新入社員の多くは入社スケジュールをみて日程を調整しているようで、2月中に旅行に出られる人が多いようです」
と話す。
ユニクロによると、むしろ「学生気分を早く一掃できて、社会人としてのスキルなどを身につけられる」といった前向きの声も聞かれるという。
毎年3月に入社式を開く大手企業は、ユニクロのほかに、セブン&アイ・ホールディングスがある。同社は2016年も3月中旬に式を予定しているが、「詳細についてはまだお話しできません」という。ただ、例年3月に入社式が行われており、はじまりは少なくとも30年前にさかのぼるようだ。
2015年3月には、セブン‐イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、そごう・西武などグループ16社の新入社員1331人が出席して開かれた。同社の場合、採用がグループ各社で行われているため、入社式後の研修スケジュールもそれぞれ別々に組まれている。対応は各社で分かれているものの、「卒業式には休みを取って、きちんと出席してもらっています」と話している。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、「3月入社は、流通系企業で取り入れられています。早く戦力として育ってほしいということなのでしょう」という。
一方で、最近の学生の意識が変化して、「3月入社」の企業を避けたり、「ブラック視」したりするような傾向があるだろうか――。石渡氏は、「昔から『早く働きたい』という学生はいましたし、『最後の春休みくらい遊びたい』という学生と、はっきり分かれていました。その割合は昔も今も変わらないと思います。むしろ、そういった企業の情報を学生側は知っていますから、そもそも選びません」と話している。