私立○○学園高校 制服、○○小学校 短パン、○○スイミングスクール 水着――日本最大級のフリーマーケット(フリマ)アプリ「メルカリ」で、着用した中古品だとする、こうした商品が大量に出品されている。多くのオークションサービスでは「出品禁止物」だ。
こうした品ぞろえについて、中古の女子高生制服や体操服、ソックスなどを販売する店舗、いわゆる「ブルセラショップ」に重ね合わせる声もネット上に寄せられているが...。
「汚れや臭いとか気にならない方のみお願いします」
メルカリは、スマートフォンを使ってユーザーが商品を売り買いするアプリだ。商品は服や本、アクセサリー、化粧品、家電製品と幅広い。会員登録や月会費などは不要という手軽さもあって人気を集め、ダウンロード数は日米合計で3200万件、月間流通額は日本国内で100億円超(2016年3月2日、メルカリ発表)という巨大サービスに成長している。
そんなメルカリに、着用済みの「学校制服」や「体操服」「スクール水着」「ソックス」が出品されていることは、以前からネット上の話題となっていた。
実際、アプリ内の検索窓に上記のワードを入力すると、商品が大量に表示される。高いものから安いものまで、綺麗なものから使用感のあるものまで価格や状態も幅があった。一部には、学校名や個人名が刺繍されていたり、名字を書いたゼッケンが縫い付けられたりしている。
出品者の年齢は不明ながら、プロフィール欄を見る限り、10代後半から20代前半にかけての若者やそれらの親世代が多い。自分や子供が以前着ていたものを出品しているようだ。信頼性を上げるためか、「着画」と呼ばれる商品着用時の写真だとして掲載している出品者もいる(出品者本人かどうかは不明)。
「JK2」(JKは女子高生の意)とプロフィール欄に書く出品者の、穴の開いたソックスが1500円で落札されている例も確認できた。なお、商品の紹介欄には「汚れや臭いとか気にならない方のみお願いします」とある。
着用済み学校制服やスクール水着の販売と聞けば、ブルセラショップを思い浮かべる人も多そうだ。女子高生の中古制服や体操服、ソックスを本人や流通業者から買い取って、マニア向けに販売する店舗だ。排泄物や着用済み下着を販売する店舗も登場し、1990年代に社会問題化。その後、排泄物や着用済み下着の販売は、多くの自治体の青少年健全(保護)育成条例で規制の対象となった。
「正しい目的でリサイクル・リユースしていただければ問題ない」
メルカリのこうした商品をめぐっては、ツイッターで
「ただのブルセラやん」
「ブルセラ時代に戻った」
「ブルセラ?みたいだよね」
といった声も広がっている。
2014年3月18日付け弁護士ドットコムニュース記事によると、着用済み制服やスクール水着の販売に関して、とくに法的規制があるわけではない。だが、ブルセラショップの影響や条例との兼ね合いからか、ヤフーオークションをはじめ大手オークションサイトの利用規約では「出品禁止物」に指定されている。
ヤフーオークションやモバオクは完全に出品禁止。楽天オークションは「他人に著しい嫌悪感を与えない範囲内のものに限り、クリーニング済であることを明記したうえで、出品が可能」としているが、原則禁止とある。
一方、メルカリは出品を禁止していない(スクール水着を含む水着類は新品、洗濯済の商品以外禁止)。
その理由について、J-CASTニュースが取材したメルカリの広報担当者は2016年3月4日、「本来の正しい目的でリサイクル・リユースしていただければ問題ないと考えており、公序良俗に反する行為や悪質な取引、青少年の心身に悪影響を与える行為については取締りを行っています」と答えた。
また出品時に、出品者の年齢を確認するかどうかも尋ねたところ、
「年齢の確認は求めておりませんが、利用規約により未成年の方には親権者の同意を得てご利用いただくこととしています」
と説明した。