歌手の徳永英明さんが「もやもや病」で脳血管手術を受けた。2001年にも同じ病気で活動停止を余儀なくされている。
厚生労働省に指定されている難病で、世界的には日本人に圧倒的に多く見られるという。
発症時期は10歳以下と40歳前後の2つのピーク
徳永さんの手術は2016年2月22日に行われ、無事成功した。公式サイトによると、4月からの活動再開を目指している。
もやもや病について説明している慶応義塾大学病院医療・健康情報サイト(KOMPAS)には「日本で発見された病気です」とある。実は英語名も「Moyamoya disease」と「もやもや」がそのまま使われている。
頭蓋内で左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の4本がリング状につながり、「ウィリス動脈輪」を形成するが、これがゆっくりと狭くなる、あるいは詰まっていくのがもやもや病だ。脳の血流が悪くなり、それを補おうと「側副血管」と呼ばれる新しい血管がつくられるのだが、細かい血管がたくさんできている様子が「もやもやとした血管」あるいは「タバコの煙のよう」に見えるのが病名の由来となっている。
発症時期は、10歳以下と40歳前後の2つのピークがある。現在55歳の徳永さんだが、2001年に発症したときは40歳だった。10歳以下で発症する場合は、血流不足による脳虚血、成人の場合は脳出血の割合が多い。具体的には、けいれん発作や頭痛、半身まひといった症状だ。子どもの場合、熱い食べ物を「フーフー」と吹いたり激しい運動で呼吸が荒くなったりした場合、症状が出やすくなる。
驚くのは、もやもや病の患者は圧倒的に日本人が多い点だ。3月3日放送の「NEWS ZERO」(日本テレビ系)で、東京慈恵医大脳神経外科学講座の郭樟吾・医学博士は、もやもや病患者の70%は日本人というデータもあると述べていた。ただし、なぜ日本人に多いか、原因は何かといった点は分かっていない。