「弁護士と相談して事案ごとに慎重に対応を検討」
JR東日本の広報部では、いずれのケースについても
「警察には通報したが、それ以降の経緯は把握していない」
と話しており、線路に入った人は警察に引き継ぐ形で対応するようだ。
電車の遅れなどに伴う振り替え輸送や払い戻しなどの損害が出た場合、賠償請求については、
「損害などについて事実関係を把握し、原因が明らかになった上で、弁護士と相談したりしながら事案ごとに慎重に対応を検討する」
と説明。統一した対応方針があるというよりは、「個別対応」の結果として請求に踏み切るケースもあるようだ。東急は
「今回の件については請求していない」
としている。
こういった「線路立ち入り」の事案の数については、東急は集計しておらず、JR東日本は公表していないと説明している。このため、全体像を把握するのは困難だが、ここ1年で東急が配信した運行情報メールを集計すると、15年3月18日に中央林間駅、6月12日にすずかけ台駅、16年2月25日に市が尾駅~藤が丘駅間で「線路内人立入り」が原因でダイヤを見合わせたり運転を見合わせたりしている。3月2日の件を合わせると、少なくとも東急だけで1年に5件発生している。
しかし、「もっと頻繁に車内放送を聞いているような気がする」という人は少なくなく、 「痴漢が線路に逃げた」などの噂が飛び交うが、多くの場合、遅れた電車の乗客にとって真相は不明のままだ。