北朝鮮、「人工衛星」発射でも祝賀ムード皆無 アジアプレス・石丸氏が内部情勢を報告

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   北朝鮮報道を専門とするアジアプレス・インターナショナルの石丸次郎大阪オフィス代表が2016年3月2日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、核実験や北朝鮮が「人工衛星」と称するロケット発射後の北朝鮮内部情勢を報告した。

   ロケット発射直後に北朝鮮住民と交わした通話だとされる音声も公開された。住民によると、「みんな食べることに手一杯」で、国営テレビが報じるような祝賀ムードは皆無。金正恩第1書記については「小さなガキ」などと陰口も多いようだ。

  • 会見する石丸次郎氏(左)。協力者が撮影した北朝鮮国内の様子が流された
    会見する石丸次郎氏(左)。協力者が撮影した北朝鮮国内の様子が流された
  • 会見する石丸次郎氏(左)。協力者が撮影した北朝鮮国内の様子が流された

中国の携帯を北朝鮮の協力者に持たせる

   石丸氏は中朝国境地帯の取材を繰り返すなかで、北朝鮮住民の協力者に対してビデオカメラなどの使い方を教え、北朝鮮国内で密かに取材活動を行っている。その成果を、雑誌「リムジンガン」やアジアプレスのウェブサイト上で発表している。国境地帯は中国の携帯電話の「圏内」になるため、最近では中国の携帯電話を協力者に持たせ、情報のやり取りをしている。北朝鮮の通信網を使わないため、やり取りが北朝鮮当局に把握されにくくなるという判断からだ。現時点では携帯電話やスマートフォン10台程度が北朝鮮国内で稼働しているという。

   記者会見では、協力者から紹介されたという、北部地域に住む30代女性との通話音声が公開された。ロケット発射翌日の2月8日に収録された。夫は国営企業勤務で、女性の生活レベルは「中の上」。女性によると、ロケット発射にともなう祝賀ムードは特になく、「みんな食べることに手一杯」で、「喜ぶとすれば、コメをくれれば喜ぶのでは」だと皮肉った。

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