いま、ネット上で天皇陛下の「激務ぶり」に注目が集まっている。陛下がインフルエンザと診断されたことを伝えるニュースの中で、翌日の公務について「体調を見て検討する」との一文があったためだ。
ネット上では、「インフルエンザの天皇陛下をご公務させる宮内庁って」という声が飛んでいる。宮内庁ホームページに掲載された公務日程によると、陛下の2015年の休日はたった「82日」だった。
「一般企業としてはありえない判断」
「明日以降の公務については、症状を見ながら判断する」
陛下の「激務ぶり」がネットで注目を集めるきっかけとなったのは、2016年2月29日朝に報じられた「天皇陛下、インフルエンザと診断」のニュースだ。各社の報道によると、陛下はインフルエンザによる発熱や喉の痛みといった症状があり、29日の公務を全て取りやめ静養する。だが、翌日(3月1日)以降の予定については「陛下の体調を見て検討する」というのだ。
こうした報道に対し、ネット上では「インフルエンザでも休めない可能性があるなんて」といった反応が上がった。ツイッターには、
「インフルなのに、明日の公務は症状を見て決めるって...」
「天皇でさえインフルエンザで休めない日本って怖いわー」
といった投稿が相次いで寄せられた。さらには、宮内庁の判断に対し「パワハラでは?」「インフルで苦しんでる時にまでご老体に鞭打って仕事させるの?」と問題視するようなツイートも目立った。
実際、大手製薬会社「第一三共」が運営するインフルエンザの情報サイト「インフルニュース」によると、発熱などの症状が出てから完治までには10日前後が必要という。さらに、高齢者の場合は、死亡率の高い細菌性の肺炎など合併症のリスクが高いため、とくに注意を払う必要があるとも呼びかけている。
また、病気と労働の問題に詳しい認定産業医・労働衛生コンサルタントの新井孝典氏はJ-CASTニュースの取材に、「一般企業では考えられない判断といえます」と答えた。その理由については、
「社員がインフルエンザに感染した際、企業は文部科学省が定める『学校保健安全法』の施行規則に基づき、発症から5日が経過するまで出社停止措置を取ることが一般的です。しかし、今回のケースでは発熱の症状が出てからまだ3日しか経っていません。この段階で『症状を見ながら翌日の公務について検討する』というのは、一般企業としてはありえない判断でしょう」
と説明した。