2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故をめぐり、検察審査会で検察官役となった指定弁護士は2016年2月29日、東電の勝俣恒久元会長(75)ら事故当時の経営陣ら3人を業務上過失致死傷罪で在宅のまま強制起訴した。原発事故をめぐる責任が初めて刑事裁判で問われることになる。
東京地検は13年9月に3人を不起訴処分にしたが、東京第5検察審査会が14年7月、15年7月の2度にわたって「起訴すべきだ」との議決を出したことを受けた。起訴状では、事故を予見し得たのに安全対策を行う義務を怠って原発事故を発生させた、などと主張するとみられる。
勝俣氏のほかに強制起訴されたのは武藤栄元副社長(65)と武黒一郎元フェロー(69)。