「ロッテから追放しないとな」お家騒動渦中の創業者が「肉声動画」公開 解任長男が次男に仕掛けた「反撃」の中身 

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   創業者一族の争いが続くロッテグループで、創業者の重光武雄氏(94)の肉声動画が騒動発生から初めてインターネットで公開され、波紋を広げている。親族からは、認知症を患っている、と韓国の裁判所に申し立てられている武雄氏だが、今回の動画はそうした判断にも影響するのだろうか。

   一連の騒動では、武雄氏の次男、昭夫氏(61)が、長男の宏之氏(62)の解任劇を仕掛け、グループ各社の役職から解任された。宏之氏側が経営権を取り戻そうとして立ち上げたウェブサイトに掲載されたのが武雄氏のインタビュー動画だ。動画では、昭夫氏に対して「何もやっていない」と批判して、「このロッテから追放しないとな」と断言。ロッテホールディングス(HD)の佃孝之社長(72)については「ほんとにあれ、ずるいんだ、人間が」と、人格攻撃まで展開するという異例の内容だ。

  • 動画では、次男の昭夫氏を「このロッテから追放しないとな」と断言している
    動画では、次男の昭夫氏を「このロッテから追放しないとな」と断言している
  • 動画では、次男の昭夫氏を「このロッテから追放しないとな」と断言している

オーナー企業で長男が後継者になるのは「日本と韓国でも常識」

   元々ロッテでは長男の宏之氏が日本のロッテHD、次男の昭夫氏が韓国の事業を担当していたが、解任劇以降は昭夫氏が日韓両国の事業を担当してきた。15年7月のロッテHDの取締役会では、会長だった武雄氏の代表権を外して名誉会長に就任する人事を決めていた。

   長男の宏之氏側が反撃の一環として15年11月に立ち上げたのが「ロッテの経営正常化を求める会」と題したウェブサイトだ。ロッテHDの筆頭株主は一族の資産管理会社「光潤社」(28.1%)で、従業員持ち株会(27.8%)が続く。従業員に自らの正当性をアピールして、宏之氏側が開催を要求しているロッテHDの臨時株主総会で少しでも多くの得票を得るのが狙いだ。武雄氏の動画は、2月21日にウェブサイトに掲載。動画では、武雄氏が4分13秒にわたって日本語で持論を展開している。武雄氏の言葉は聞き取りにくく、画面には字幕が入っている。

   武雄氏は、オーナー企業で長男が後継者になるのは「日本と韓国でも常識」だと主張。

「そうしないと、他に(役割を)やったらね、みんな信用がなくなる。わかるでしょう?」

などと長男の宏之氏が自らの後継になるべきだとした。続いて武雄氏は、次男の昭夫氏の取締役としての能力を酷評した。

「長男がちゃんとやってるのに、次男、昭夫がだな、『自分が長男ではないから後継者になれない』というので、こういうこと(父と兄の排除)をやっている」
「昭夫がだね、何もやっていない。中国に何千億も投資して、みんな失敗している。それでも懲りずに、呼んでも来ないんだよ。それで自分は裏に回って、勝手なことをやっている。自分は何もしない、何もできないのが、『ロッテはおれの物』だと言っている。これはとんでもない。ああいう者が会長になったら全部ダメにしてしまう。60年間苦労してやっとこれだけ作ったものだ、あれが全部だめにしてしまう」

   そのうえで、昭夫氏の完全追放を明言した。

「昭夫は一切そこから解任して、ロッテから関係ないようにして...。昭夫はこれから一切だな、このロッテから追放しないとな」
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