AKB48で「不動のセンター」として知られた前田敦子さん(24=2012年卒業)が、新曲でセンターポジションを務めるHKT48出身の宮脇咲良(さくら)さん(17)に「お墨付き」を与えたとして話題になっている。最近のAKBグループの楽曲では、曲ごとにセンターが入れ替わるのが一般的だが、前田さん曰く「センターというポジションを咲良に確立してもらいたい」。
宮脇さんは福岡市が拠点のHKT48のメンバーとしてデビューし、後にAKB48と兼任しているという経緯がある。いわば、「本店」AKB48で採用されたメンバーを飛び越して、「地方支店」採用の若手が大出世を果たし、事実上の「後継指名」まで受けた形だ。「本店」若手メンバーの存在感をめぐる課題を浮き彫りにしたとも言えそうだ。
地方支店の若手が本店採用者を飛び越したようなもの
3月9日に発売される10周年記念シングル「君はメロディー」では、現役のAKB48グループメンバーに加えて、前田さんや大島優子さん(27=2014年卒業)ら卒業メンバー4人が参加するのが目玉だ。2月12日に公開されたミュージックビデオでは、宮脇さんが前田さんや大島さんを従える形でセンターに立っている。
前田さんの発言は、2月24日に発売された「an・an (アンアン)」3月2日号で出た。記事では、新曲に参加しているメンバーのうち、7人の対談やインタビューを掲載。その中で、前田さんが「(宮脇さんが)グループの中で、もっと伸ばしてほしい魅力」を聞かれ、宮脇さんの17歳という年齢は髪の毛を染めたくなる時期だとしながら、
「あえて黒髪で『かわいい』の王道を突き進んでほしい」
と注文。その上で、
「センターというポジションを咲良に確立してもらいたいですね。今のAKB48って『誰がセンターか』ということが、はっきりと定まっていない気がしていて。だからこそ、『自分なんか...』とか思わずに、前向きな気持ちで突き進んで、不動のポジションを狙いにいってほしいですね。咲良なら、できるはず!」
と激励した。宮脇さんをセンターに固定するのが望ましいという見方を示した形だ。
支配人・指原も「彼女は天才。頭もいい」
HKT48の「劇場支配人」指原莉乃さん(23)からの信頼も厚い。宮脇さんは、15年6月に開票された「選抜総選挙」で、上位7位の「神7(セブン)」に初めてランクイン。指原さんは直後の「AKB48 SHOW!」(NHK BSプレミアム)で、
「彼女は天才ですから。頭もいいし、もっともっと伸びると思う」
と激賞したほどだ。
AKB48グループ内では、これまでも何度か「後継指名」が語られたことがある。15年にAKB48としての実質的な活動を終えた高橋みなみさん(24)は、15年12月に「グループ総監督」の肩書を横山由依さん(23)に引き継いでいる。これは正式な手続きを経たものだが、AKB48の向井地美音(むかいち・みおん)さん(18)をめぐるケースも語り草だ。
10年6月の「選抜総選挙」では大島さんが1位を獲得し、代表曲「ヘビーローテーション」のセンターを勝ち取った。14年4月のイベントで「ヘビロテ」が披露された際、大島さんがセンターに指名したのが向井地さんだった。これが「後継指名」だと話題になった。ただ、大島さんは14年6月の卒業公演後、「負担をかけさせたくない」として「後継者はいらない」と説明している。