逮捕・世田谷区職員が同僚「残業時間」を改竄できたズサン管理の実態 「マイナンバー大丈夫か」と批判相次ぐ

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   東京都世田谷区職員の男(56)が嫌がらせで同僚の残業時間をゼロなどにする内部データの改竄をしたとして、警視庁に逮捕された。

   あまりにずさんな情報管理も明らかになり、マイナンバー制度の本格運用に不安が出ているときだけに、区に対して批判の声が上がっている。

   逮捕された職員は、世田谷区の清掃事務所に勤めていた。

  • 給与データ改竄が発覚した世田谷区役所
    給与データ改竄が発覚した世田谷区役所
  • 給与データ改竄が発覚した世田谷区役所

以前も個人情報がらみで逮捕されていた

   報道などによると、職員は2015年9月26日、職場の自分のパソコンから区の給与などを扱う管理システムにアクセスし、清掃事務所の上司や同僚約30人分の残業時間や休日出勤をゼロにしたり減らしたりして、給与が下がるように工作した疑いが持たれている。世田谷署が16年2月25日に電子計算機損壊等業務妨害(データ改竄)の疑いで職員を逮捕した。

   調べに対し、この職員は、容疑を認めており、「過去の業務ミスを指摘され、弁明の機会もなかったことの腹いせでやりました」と動機を供述しているという。

   こうした内容が報じられると、ネット上では、区に対して批判的な意見が相次いだ。「セキュリティー甘い」「なんで入れてデータいじれんだよ」「危なくてマイナンバーカード申請できないな」といった声だ。

   容疑者の職員は、05年にも別の名誉棄損容疑で警視庁に逮捕されていたこともネットで指摘された。当時の報道によると、出会い系サイトで知り合った女性医師に1回会って断られたことを腹いせに、医師の個人情報をネットで晒していたというものだった。逮捕当時は、区の保健福祉センターに勤めていた。それだけに、この職員がまだ区に勤めていたことにも驚きの声が上がっている。

   なぜ職員は、個人情報を扱う区の給与管理システムにアクセスできてしまったのか。

「仕事が回らない」とデータにパスワードをかけず

   世田谷区清掃・リサイクル部の管理課では、取材に対し、容疑者の職員は、清掃事務所の庶務担当をしており、給与管理システムにアクセスする権限を持っていたと説明した。

   残業時間など実際の給与管理は別の職員が担当していたが、改竄された当日は土曜日で、この職員はおらず、当番2人のうち1人は容疑者の職員だった。その3日後に、給与管理担当の職員がシステムで確認したところ9月分が改竄されていたのが分かった。一両日中に世田谷署に相談し、12月25日になって被害届が受理されていた。

   担当職員がデータにパスワードをかけていないことについては、「担当がいないときに修正したりすることもあり、担当しか見られなければ仕事が回らなくなってしまいます」と理由を挙げている。

   区の人事課では、容疑者の職員が11年前に逮捕後も区に勤務していることについて、「当時の基準に基づいて適正に処分しています」と取材に答えた。今回についても、「信用失墜行為を定めた地方公務員法に則り、適正に処分したいと考えています」と言っている。

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