鴻海「シャープ買収」は本当に実現するのか 広報も「これマジ?」とつぶやく大混乱

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僅差の多数決を「全会一致」と演出、との報道も

   とはいえ、シャープの偶発債務が、もし「3500億円」にものぼるのであれば、本来は決算書などに記載しておかなければならない重大事項のはず。なにしろ、3500億円もの債務となると、シャープの時価総額2245億円(2016年2月26日時点)を大きく上回る規模になる。

   それでなくとも、2016年3月期第3四半期(15年4~12月)決算では最終赤字を計上。業績不振で、計上しなければならない損失が膨らむ可能性がないとはいえないうえ、「隠れ債務があるのでは」と思わせてしまったことだけでも、シャープへの不信感は募る。鴻海精密工業が契約を見合わせたのは、当然と言えるかもしれない。

   加えて、今回の買収交渉では、鴻海に契約違反があった場合、1000億円の違約金を払うことになっている。鴻海は2012年にシャープへの出資で合意したが、その後の株価下落などを背景に破談となった経緯があるからだが、鴻海にしてみれば、偶発債務の追加損失を補てんしなければならないのであれば、1000億円の違約金を支払って「破談」にしたほうがいいという判断もあり得る。

   まだ、ある。TBS(2月25日付)は、高橋興三社長が「全会一致で決まった」と強調した臨時取締役会での決議がじつは「僅差」で、「表向き『全会一致で決まった』という形を演出した」と報じた。なぜ、そうまでして鴻海の傘下に入らなければならないのかは、わからない。

   「ゆるい」ツイートで知られるシャープの公式ツイッターは、買収が決まったことが報じられた2月25日昼すぎ、「こマ?」(「これマジ?」の略で、驚きを表現)とひと言。

   そう言いたいのは、むしろ鴻海のほうかもしれない。

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