菅義偉官房長官は2016年2月26日夕方の定例記者会見で、民主党の鈴木貴子衆院議員が離党届を提出したことについて、笑顔でジョークを飛ばしながら自民党への接近傾向を「歓迎すべき」と述べる余裕を見せた。
会見で記者が
「政権幹部としての受け止めを...」
と質問したところ、
「報道は承知していますが、私は『政権幹部』ではありませんので...政府としてコメントすることは控えたい」
と答弁。菅氏の実力者ぶりは旧知のとおりで、16年1月には「影の権力者 内閣官房長官菅義偉」(講談社+α文庫)という書籍が出たばかり。そこをあえてとぼけてみせた形だ。その上で、菅氏は
「自民党の政策に賛同いただいて、ご協力いただけるということは歓迎すべきこと。鈴木議員については、自民党としてどうされるのか、まさに『政権、政党幹部』の中で決められていくのだろうと思う」
などと話し、鈴木氏の自民党への接近を歓迎した。
民主・岡田代表は議員辞職求める
菅氏の会見の直前には、民主党の岡田克也代表の定例会見も行われた。岡田氏は
「彼女の政治家としての将来ということを考えた場合にも、彼女自身のためにも、今回は議員辞職すべき。比例の1番で当選したということの重さを、しっかりとかみしめるべき。そうでないと、彼女自身が政治家として将来に大きな障害になるのではないかと心配している」
などと怒り心頭だった。鈴木氏は14年12月の衆院選で民主党公認候補として北海道5区から出馬し、自民党候補に敗れた末に重複立候補していた比例北海道ブロックから復活当選したという経緯がある。