厚生労働省と川崎市は2016年2月25日、ブラジルから帰国した市内の10代の男子高校生が「ジカ熱」と診断されたと発表した。国内で感染者が確認されたのは、これで4例目。世界保健機関(WHO)が中南米での流行拡大を受けて緊急事態宣言をした2月1日以降は初めてとなる。
厚労省などによると、男子生徒は2月9日から20日にかけてブラジルに滞在し、22日に帰国した。20日に発熱し、22日には発疹が出たため、医療機関を受診。25日に国立感染症研究所のウイルス検査で感染が確認された。すでに熱は下がり、自宅で療養しているという。
ジカ熱は、ジカウイルスを持つ蚊によって媒介される感染症。8割は症状が出ないとされるが、妊婦が感染すると、小頭症の子どもが生まれる可能性があると指摘されている。
厚労省の担当課長は25日夜の記者会見で、「現在、国内は蚊の活動期ではないため、国内で感染が拡大するリスクは極めて低い」と説明。流行地への渡航時は蚊に刺されないよう肌の露出を避け、妊婦は渡航を控えるよう呼びかけた。