就活「解禁」、企業の9割「守らなかった」 16年も解禁前の5月に「内定」半分近く

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   2016年4月入社の就職活動で、経団連が指針とした「8月からの選考活動の解禁」は、約9割の企業で守られなかったことが、経団連自身の調べでわかった。2017年4月入社の新卒採用は、16年より2か月前倒しの6月解禁になるが、解禁日程は形骸化している。

   一方、16年春入社の就職活動は、学生側に有利な「売り手市場」だったことも確認され、より短期決戦となる17年春の就職戦線の行方が注目される。

  • コロコロ変わる就活解禁日、「実態に合っていないので守らないのはやむをえない」と漏らす企業も
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「実態に合っていないので、守らないのはやむをえない」

   経団連は会員企業1331社を対象に2016年4月入社の大卒新卒採用について調査を行い、790社から回答を得た。それによると、「8月選考解禁」の選考日程が「あまり守られていない」「ほとんど守られていない」と回答したのは87.5%と、9割近くに達した。「指針のスケジュールが実態に合っていないので、守らないのはやむをえない」「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平だ」などの意見が多く、大企業の本音が漏れた。

   「8月選考解禁」の日程については、8割の会員企業が「スケジュールを見直すべきだ」と回答しており、経団連は17年春入社から6月に変更した。しかし、解禁日が1年ごとに8月、6月と変更になるのは、学生はもちろん、企業にとっても負担が大きい。選考解禁は2015年4月入社まで、学生・企業とも前年4月で定着していたからだ。

   経団連の調査では、8月の選考解禁は学生に「就職活動の長期化」をもたらし、企業にとっても人事担当者の業務量が増えるなどを理由に、約9割の企業が「自社の採用活動に悪い影響があった」と答えている。16年の選考解禁は6月に前倒しとなるが、この日程も守られる保証はない。

   これを裏付けるデータがある。リクルートキャリアが全国4050社に行った調査によると、面接などの選考を解禁前の5月までに始めると答えた企業は67.9%と3分の2を上回った。このうち、選考開始を4月と答えた企業は33.9%と最も多く、「内定を5月までに出し始める」とした企業も44.1%となるなど、今年の選考も早期化するのは間違いない。

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