近大は導入後に志願者が全国1位になったが......
また、ネット出願といえば、近畿大学が導入後に志願者を急増させた例から、「志願者数を増やすための施策」というイメージがある。
近大は13年度入学の入試で、ネットで出願すれば受験料を3000円割り引く「ネット割」を他大に先駆けて導入。この施策が大きな話題を集めたこともあり、14年度入学の出願数は前年の約22倍まで伸びた。さらに、15年度入学の一般入試の志願者数で、関西の私大としては初の全国首位に輝いた。
だが、旺文社は「志願者数増の狙いでネット出願を実施する大学は、現在ではほとんどありません」と否定する。ネット出願やそれに伴う割引を実施する大学が増え、目新しさが薄れたこともあり、過去のデータを見ても志願動向に与える影響は少ないという。
新たにネット出願の実施を発表した早稲田大学の広報課も、J-CASTニュースの取材に対し、志願者数の増減については「全く考慮していない」と断言。導入の理由については、
「受験者の利便性が向上することに加え、他の私立大でも導入の動きが進んでいるため」
と説明した。
結局、ネットでの出願が主流となり、紙の「願書」は消えてしまうのだろうか。旺文社は、応募者数が少ない大学がネット出願を実施するメリットは少ないので、「(導入は)全体の半数ほどで止まる可能性が高いのではないでしょうか」と話している。