無料化は49年後? ただし、「現行法が改正されなければ」
首都高の値上げに、インターネットでは、
「首都高は高すぎるよ。おまけに混むからガチ詐欺だと思う」
「もういいよ。1300円はキツイ。ガソリンが安いから一般道使うわ」
「私がクルマに乗り出した頃は500円。それが700円になって、結局こんな値段になっている。高速無料化の話はどこへ行ったのか。怒りしかない」
「いつもETCで乗ってるから値上がり幅がわからん。それがヤツらの作戦か。ズルいだろ」
と、多くの人がショックを隠さない。
高速料金を「借金返済」に充てるにしても、2016年4月からの値上げで利用者が減れば、完済期日がズレ込む恐れがないとはいえない。
たとえば、大宮‐渋谷間で首都高を利用すると新料金では上限の1300円だが、JR埼京線を利用すれば片道550円で済む。さすがに2倍以上の差があると、少なくとも一人でクルマで動こうとは思わなくなるし、これでは首都高を利用する人が減りかねない。
首都高道路会社は料金の決め方について、「他の公共料金と照らし合わせて決めています」というが、「鉄道との料金比較だけではありません。借金を返済できるようにすることが大事ですから、料金を安くすることで償還期間が延びてしまっては元も子もありません。(料金は)利用状況や交通量などを推計して判断しています」と説明。また、155件が寄せられた一般からの意見書も参考に、総合的に判断しているという。
いずれにしても、値上げはもううんざりというドライバーらは多いはず。老朽化によるメンテナンスや延伸計画と、首都高には借金返済を除いたとしても多くの資金が必要だ。そんな中で、借金返済とその先にある高速料金の無料化など、実現できるのだろうか――。
首都高道路会社は、「NEXCO東日本など他の高速道路を含め、有料道路制度を維持するためには借入れの償還を着実に進めていく必要があります。道路整備特別措置法では償還日の満了を、2065(平成77)年9月30日としていますから、現段階で無料化は『できない』状況です」と話す。
つまり、高速料金の無料化の可能性は、現行法が改正されなければ、あと約半世紀、49年後に実現するかもしれないわけだ。