高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
民主に飲み込まれる維新 本当に政策で折り合えるのか

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「おおさか維新の会」の今後に興味津々

   企業からの政治献金についても、将来の話として片づけようとしている。維新の党は、もともと企業団体献金の禁止を打ち出している。実は、民主党も同じく、企業団体献金の禁止をいっているが、現実には今も企業団体から政治献金を受けている。これも、今は禁止でないが、将来は禁止ということだ。ここは、維新の党が、すぐに企業団体献金を禁止しようと言い出さないと不味い。結局、民主党のいうように、将来は禁止するが、今は禁止しないことで、維新の党が民主党に飲み込まれてしまっている。

   こう見てくると、大きな民主党に、維新の党が飲み込まれていくようだ。

   一つ良いことは、それで、おおさか維新は、晴れて「維新」と名乗れるようになることだ。維新の党とおおさか維新の会は、もともと一つが二つに分裂したこともあって、わかりにくかった。

   いずれにしても、一つの政界再編が進んだ。今の小選挙区制では、(1)2大政党、(2)政権与党との連合、(3)比例狙いの小政党の3タイプしか、長期的には生き残れないだろう。

   維新の党が民主党に吸収されたのは、上の考えから行けば自然である。おおさか維新の会が、夏の参院選(衆院とのダブル選の可能性も含む)で、従来の3タイプの枠に収まるのか、収まらないのか、興味津々である。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、 いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。 著書に「さらば財務省!」(講談社)、「戦後経済史は嘘ばかり」 (PHP新書)、「数字・データ・統計的に正しい日本の針路」(講談社+α新書) など。


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