アドレス&パスの「なりすまし」には依然警戒必要
こうした影響から、LINEは1月22日に見解を発表した。第3者によるアクセスは「極めて限定的な状況下にない限り、起こりえません」としたものの、条件を満たせばクローンiPhoneを作れることを認めた。
そして見解発表から1か月後の2月22日、LINEはiPhone版アプリの最新版(ver5.10.0)をリリース。公式サイトでは、今回のアップデートにより「複数のスマートフォン端末からアクセスすることが不可能になりました」と説明。ついに対策を講じたかたちだ。
具体的には「最新バージョン以降で該当操作を行った場合、データ移管元の端末からLINEのアカウントがログアウトされるように仕様を変更した」(LINE広報担当者)という。
同社担当者によると、この問題については以前から把握しており、対応を検討してきていたそうだ。このタイミングで対応したのは、単に実装の目処がついたことだけでなく、「ユーザーに不適切な形式での利用を想起させる仕様として伝わり、不特定多数の第3者からのアクセスが可能という誤解も生じていたため」だという。
ただしこれで安心しきってはいけない。仕様変更が適用されるのは、あくまでもバージョン5.10.0以降。以前のバージョンのLINEを使用している際に作成されたクローンiPhoneが存在している場合、手持ちの端末をアップデートしても、クローン側は変わらず利用できる状態だと、複数の情報サイトが指摘している。
なおLINEでは、他のウェブサービス等と同様に、メールアドレスとパスワードでの本人認証を導入している。第3者に両方を把握されている場合は、なりすましされてしまう危険性は依然としてある。LINEは引き続き、各端末と登録情報の管理を徹底するよう呼びかけている。