総務省が、テレビアニメにもなった萌え系ライトノベルのヒロインを起用して18歳選挙のキャンペーンをしていることに、賛否両論の意見が出ている。
ラノベは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」で、2008~13年に全12巻が発売され、累計500万部以上の大ヒット作になっている。作者は伏見つかささん、イラストはかんざきひろさんだ。
アダルトゲームも楽しむヒロインを起用
総務省は、16年2月10日のツイッター上などで、このラノベとコラボして、18歳選挙について学べる短編小説を作成し、全国のシンポジウムやワークショップなどで配布すると告知した。
もともとのラノベは、高校生の高坂京介が美人中学生の妹の桐乃に意外な趣味があることに気づき、桐乃の人生相談に乗ったことから騒動が始まるというストーリーだ。桐乃の趣味とは、アダルトゲームも楽しむオタク系のものだった。ラストシーンでは、桐乃が京介に接近する不思議な関係も描かれて話題になった。
総務省のキャンペーンでは、桐乃が18歳になったという設定で、本人がネット選挙運動の注意点などを分かりやすくレクチャーしていく内容の小説になっている。
桐乃をキャンペーンモデルに起用したことを巡り、ネット上では、様々な意見が上がった。
疑問を呈する向きとしては、「俺妹はエロゲとか出てくるからダメだろ」「ストーリーを知ってるのでしょうか?」「近親相姦キャラ使うってどうかしてる」といった声が出た。
今の18歳には、ラノベの内容も古い?
ラノベが2010年に深夜放送のアニメになったとき、中学生がアダルトゲームを楽しむ設定が不適切だという声が放送倫理・番組向上機構(BPO)に多数寄せられ、青少年委員会で審議する事態にもなっている。このときは、委員から危惧の意見も出されたが、全員一致で特段問題にすべき点はないとの結論だった。
また、6年前の深夜アニメについては、現在の18歳が小中学生のときに放送を見ていたとは考えられないとの指摘があった。「今の18に俺妹わかる奴おるんかいな...」「ブーム過ぎてるぞw」「どうせならリアルタイムでやってるアニメから選びなさいよ」などと書き込まれている。
もっとも、ラノベのファンらからは、「親しみやすいキャラを使うのは良い」「ええやん これで18歳の人が興味持てば」「オタクの若者票を勝ち取るにはよろしいのでは」と歓迎する声も出ていた。