4月から、厚労省が支給要件を厳格化
こうした指摘に対して、東京労働局は「委託時の契約は会社ごとに異なりますので、(助成金が人材会社に流れているかは)わかりません」と話す。
しかし、厚生労働省が人材会社を問題視しているのは確か。現行の仕組みだと、人材会社が自社の利益のため、必要以上に企業にリストラを促したり、助成金の申請を勧めたりしかねないとみているようだ。
2016年2月22日付の朝日新聞が「リストラ誘発しかねない再就職助成金 支給要件厳格化へ」と報じた。厚労省は、再就職支援奨励金の支給要件を「4月1日に向けて見直しているところです」という。「現行でも、企業側には経営状態を示す資料や、事業所や工場などの閉鎖の理由、離職者の氏名のほか、企業側が退職強要など違法行為をしていないか、労働組合の意見書を提出してもらっています。かなり厳しくみていますが、そのチェック機能をもう一段強めることを検討しています」と説明する。
厚労省によると、再就職支援奨励金制度を大幅に拡充した2014年度に使われた助成金は、離職者数(再就職した人)で約4300人、金額で約6億円だった。