「やっと会えたね」。運動習慣が身につかなかったダイエット中の木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)が、スロートレーニングを知ってこう口にした...かどうかは分からないが、3日坊主にならず継続できているのは快挙だ。
ただ、ちょっぴり不満もある。運動を始めたからこそ、劇的な改善を期待しているようだが、体重は大きな変化はない。ダイエットの「ゴール」が見えてきた今、目に見える成果が欲しいのだ。
体重は「過去最軽量」だがイマイチ実感できない
キヨシさん「スロトレ、最高ですよ」
今やスロートレーニングの伝道師のようなキヨシさん。教本にしたがって1日おきに、帰宅後の夜間に続けていると話す。1回10分程度でエクササイズをしている感覚だが、「筋肉プルプル」状態のハードさは相変わらずだ。最もやさしい「イージー」のメニューとはいえ、最初は1セット10回をクリアできず途中リタイア。だが続けるうちに、最後までやり通せるようになった。「教本には、トレーニングごとに『どの筋肉が痛くなるか』が書かれているのですが、その通りになってきました」と明かす。正しく筋肉を使えている証拠だ。
編集部「どんな効果を感じていますか」
キヨシさん「うーん、前よりお腹がすくようになりました」
編集部「......」
とは言え、直近の体重は77.4キロだった。2015年9月のスタート時は身長178センチ、体重83・5キロだったから、6キロを超える減少だ。これはダイエット開始後の記録では最軽量となる。骨格筋率も35.7%と、標準値をもう少しで上回りそう。骨格筋率がアップしているのはダイエットの効果が出ていると見られ、率が高まれば高まるほど太りにくい、筋力ある体質になる。
ただ、キヨシさん本人は今ひとつ効果を実感できていないようだ。「体重10キロ減」という目標までは、まだ遠い。キツいトレーニングを懸命にこなしているのだから、ガクンと減ってもいいはずだという気持ちかもしれない。
キヨシさん「スロートレーニングって、本当にやせるんですかね」
トレーニング後に有酸素運動を組み合わせたい
スロートレーニング愛好者によるインターネットの書き込みを見ると、大きく体重を減らした人は2~3か月続けている。キヨシさんの場合、始めて1か月に満たない。結果を求めるのは、ちょっと早すぎる。
もうひとつ、実践者はスロートレーニングだけでなく、別の運動を組み合わせたり食事に配慮したりというパターンが多い。「無酸素運動」のスロートレーニングでは、終了後しばらくは体脂肪が燃焼しやすい状態になるという。欲を言えばキヨシさんも、トレーニングの後でウォーキングのような有酸素運動に取り組むと、効果はアップするはずだ。平日の夜は難しくても、週末ならできるかもしれない。
編集部「週末は、今もお子さんと運動していますか」
キヨシさん「都合がつく限りは一緒に遊んでいます」
最近では、近所の公園で鬼ごっこをしたそうだ。息子2人を追いかけながら「最後は自分が疲れちゃいました」と笑う。塾へは片道20分を徒歩で付添い、雨の日には室内で相撲ごっこと、体を動かす工夫は続けているようだ。
週末に時間の余裕があれば、先にスロートレーニングで脂肪を燃やす「準備」を整え、それから子どもと外で思いっきり駆け回るというのが望ましい。
鬼ごっこをしたときの様子を、キヨシさんは写真を撮ってくれた。
キヨシさん「どうです。私、がんばっているでしょう」
編集部「楽しそうでいいですね。でも写真だけだと、ちょっとだけ子どもを追い回す怪しいおじさんっぽい印象が...」
もちろん、息子と遊んでいるほほえましいひとコマですので、ご安心を。