マクドナルドは深刻な客離れに陥っている 過去最悪の赤字を1年で黒字にできるのか

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33か月ぶりに客数が前年同月を上回ったが...

   16年2月9日の記者会見でサラ・カサノバ社長が「45年の歴史で2015年は最も厳しい年だった」と総括したように、日本マクドナルドは危機的な状況にある。ただ、同社も手をこまねいているわけではなく、全国の不採算店を100店以上閉鎖するなどのリストラを推進。一方で200円のバーガーメニューや150円のサイドメニューなど低価格が特徴の「おてごろマック」の新商品を発売し、16年2月には新作のハンバーガーの名称を顧客から公募する新たな取り組みを始めるなど、販売のてこ入れ策を矢継ぎ早に実行している。

   1月の客数は既存店ベースで前年同月比17.4%増と、2013年4月以来33か月ぶりのプラスを記録。売上高も35%増となり、2か月連続で前年実績を上回った。ただ、前年の1月は異物混入問題が発覚した時期で、二桁の伸びも前年に急減した反動という面がある。回復の兆しは見え始めたが、顧客離れに歯止めがかかったと判断するのは早計だろう。

   日本マクドナルドは2016年12月期に当期純損益が10億円の黒字に転換すると見込んでいる。日本マクドナルドHD株の5割程度を握る米マクドナルドが、保有株の一部を売却する意向を1月下旬に表明したこともあり、筆頭株主が交替すれようなことがあれば、日本マクドナルドの経営戦略が大きく変わる可能性もある。同社にとっても、カサノバ社長にとっても今年は正念場の1年になりそうだ。

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