「薔薇の名前」などの作品で知られるイタリアの作家、ウンベルト・エーコさんが2016年2月19日(日本時間20日朝)、自宅で死去した。84歳だった。
1932年、イタリア北部のピエモンテ州アレッサンドリア生まれ。トリノ大学で中世哲学や美学を学び、卒業後に国営放送局のイタリア放送協会(RAI)でドキュメンタリー番組プロデューサーとして勤務した。その後、作家や記号論学者、文芸評論家としても活躍、1980年に発表した「薔薇の名前」でイタリア文学最高賞のストレーガ賞を受賞した。中世イタリアの修道院を舞台にした同作は各国で翻訳され、映画にもなった。
2015年に出版した、イタリア北部ミラノの新聞社を舞台にした小説「ヌメロ・ゼロ」が遺作となった。