「特許」や「商標登録」で権利を守る方法もあるが......
一方、料理のレシピを創作的に表現した「料理の盛り付け・写真・文章」については、著作権の保護の対象となる可能性がある。料理をおいしそうに美しく、また変わっている盛り付け方だったり、色合いがきれいな写真を使っていたり、料理のつくり方を個性的な文章で表現したりするようなケースであれば、保護の対象になる。
また、1品1品のレシピについて著作権法を適用することは難しいようだが、多くのレシピを集めた「レシピ本」や「レシピ紹介サイト」などになると、「それ全体として著作権法の保護対象となることは十分に考えられます」と、前出の篠田弁護士は指摘する。
また、著作権侵害とはいえなくても、商業的価値のあるものをそのままコピーしたり複製したりする行為が、不法行為として損害賠償請求の対象となる可能性がある。たとえば、クックパッドなどに公開されている料理は、1品だけを自身のブログに転載しても違法の可能性は少ないが、いくつかをまとめて転載したとなると違法となる場合があるというわけだ。
一方、料理のレシピを「発明」として特許庁に登録している場合には、勝手にこれを使うと特許権侵害となる可能性がある。実際、あるレストランでは、ソースのつくり方を特許登録している。さらに、創作料理のメニューなどを商標登録している場合は、これを勝手に使うと商標権侵害とされるかもしれない。
さらに、公開されていないレシピを「営業秘密」としているケースでは、これを不正取得や不正持ち出しで使うようなことがあれば、不正競争防止法に違反する可能性も出てくる。
ただ、「レシピは、非常にグレーゾーン」(篠田弁護士)なので、特許や商標登録を済ませたとしても、ケース・バイ・ケースで判断が異なり、「絶対、大丈夫」とはいえないようだ。