子供向け雑誌の付録に付いていたマニキュアに発がん性物質が見つかって回収する騒ぎになり、ネット上で話題になっている。「最近は、幼児でもマニキュアを塗るのか」といった驚きも出ているのだ。
「はじめての ほんもの おけしょうセット」。マニキュアを付録にした幼児向け雑誌「おともだちピンク」(発行元・講談社)2014年11月号の表紙には、こんなキャッチフレーズが大きく出ていた。
子供向け雑誌の付録に「発がん物質」が
表紙ではまた、女児が両手の爪を見せる写真が載っており、「とうめいなピンクいろよ」と紹介されていた。
発がん性物質が騒ぎになったきっかけは、国民生活センターが消費者からの苦情を受けて商品テストをしたことからだった。別の少女漫画雑誌「りぼん」15年8月号の付録にあったマニキュアから発がん性物質のホルムアルデヒドが検出され、発行元の集英社は16年2月8日、ホームページ上などで読者にマニキュア使用を中止するよう呼びかけ、回収に乗り出した。
敏感な体質の子供が使用すれば、爪が変色したり肌が赤くなったりするなどのアレルギー様反応を起こす恐れがあるという。
今度は、前出号の「おともだちピンク」や少女漫画雑誌「なかよし」15年1月号(ともに講談社)の付録に付いていたマニキュアでも、ホルムアルデヒドが検出され、講談社が18日に発表して、回収に乗り出す事態になった。
報道によると、マニキュアはいずれも中国製だった。中国製のマニキュアからホルムアルデヒドが検出されるケースは、15年10月に100円ショップ「ダイソー」でも起きている。
今回の騒ぎについて、ネット上では、化粧品の安全性が改めて論議になるとともに、子供向け雑誌の付録となっていたことに驚きの声も上がっている。
中学生以下の40%が「興味がある」
子供がマニキュアを塗ることについては、賛否両論となっており、否定的な意見としては、「子供は子供らしく!」「爪を傷めないかが心配」「大人びて変な付き合いしそう・・・」といった声が出た。
一方で、「かわいいと思いますよ」「休みの日だけなら良い」「器用さを身につけることにもなるかな」などと理解を示す向きもあった。
Q&Aサイトでは、以前から議論されていて、「2~3歳の子供にマニキュア塗ってたら、どう思いますか?」「大人が使う普通のマニキュアを6才の娘が使いたがる」といった相談が話題になっていた。
ベネッセ教育情報サイトが2011年8月に保護者ら2620人にアンケートしたところ、幼稚園の女児の10%前後が「マニキュアをときどきする」と回答した。また、小中学校の女子では、20%前後が同じ回答をしていた。「マニキュアをしていないが興味がある」は、幼稚園~小中学でいずれも40%前後に達していた。
ただ、子供のマニキュアについては、肌がかぶれたりするほか、マニキュアを落とす除光液を使えば、アセトン成分の影響で爪がもろくなったりする恐れがあると、医師から指摘されている。それでも、もし使うのなら、ノンアセトンの除光液を使ったり、玩具用の水溶性マニキュアやネイルシールにしたりする方法が、Q&Aサイトなどで紹介されている。