疲れや悩みを抱えると交感神経が強く働く
それにしても、ため息をつくと、なぜストレス解消によいのか。呼吸が専門の医師のサイトをみるとこう説明する。人間の自律神経には、興奮時に活動する交感神経と安静時に活動する副交感神経がある。交感神経は血圧や心拍数を高めて体を活性化する。一方、副交感神経は血圧や心拍数を鎮めて体をリラックスさせる。両者はいわばアクセルとブレーキの関係で、両方のバランスが取れているのが健康な状態なのだ。
ところが、疲れや悩みを抱えると交感神経が強く働くようになる。いったん優位になった交感神経は、放っておくと2時間は元に戻らない。夜遅くまで残業すると、なかなか寝付けないのは交感神経の高ぶりが尾を引くからだ。
ストレスを抱えて落ち込んでいる時は、呼吸も乱れている。姿勢が前かがみになり、肺に十分空気が行き渡っていない。すると、リラックスが役割の副交感神経が働いてくる。副交感神経の1つに呼吸情報をモニタリングする迷走神経があり、「酸素が足りていない」とキャッチし、脳に「ため息を命じて」と伝達する。こうして、深々とため息をついて酸素を取り込むことで、高ぶった交感神経を収めてくれるのだ。逆にいうと、ため息をついて呼吸を整えるとストレスを解消する効果があるわけだ。