子どもの貧困が、全国的に深刻化している。生活保護費より低い収入で暮らす子育て世帯が過去20年で倍増したことが、山形大学人文学部の戸室健作准教授の研究でわかった。毎日新聞が2016年2月18日付で報じた。1992年に約70万世帯だった子育て中の貧困世帯数は、直近の2012年調査では約146万世帯に倍増していた。
一方で、1992年から2012年に子育て世帯自体は約1293万世帯から約1055万世帯と約2割減少しているため、「子どもの貧困率」（17歳以下の子どもがいる世帯に占める貧困世帯の割合）は5.4％から約2.6倍の13.8％に悪化した。
都道府県別にみると、39都道府県で子育て世帯の10％以上が貧困状態にあると指摘。貧困率が最も高かったのは沖縄県。以下、大阪府、鹿児島県、福岡県、北海道と続いた。10％を切ったのは、最も低い福井県など8県にすぎなかった。