深い孤独感、職場の人間関係、仕事がうまくいかない...
清原容疑者の場合、理由としてしばしば指摘されているのが孤独感だ。日本経済新聞電子版2016年2月12日付記事で、薬物問題に詳しい小森栄弁護士は、「スターだった現役時代に比べ、引退後は私生活も孤独で薬物に依存していったのではないか」と推測している。離婚により、子どもと思うように会えない寂しさをブログでもつづっており、ますます孤独を深めた可能性は高い。
田代まさしさんの場合、覚醒剤に手を染めた理由を2015年3月29日付「日刊SPA!」で明かしている。かつてはバラエティー番組で人気者だったが、
「ずっと人気を維持して活動を続けるのってすごい難しいのよ。今まで何十年もやってきて、毎日おもしろいこと言わなきゃいけないってことになってきて、それでだんだん疲れてきたの」
と仕事への苦悩を抱えていた。そんな時に、「悪魔の誘惑」が忍び寄ってきたようだ。
2014年6月5日放送の「クローズアップ現代」(NHK)では、逮捕された中高年が、覚醒剤を使った理由を告白していた。
「自宅から遠い小学校へ異動を命じられ、左遷されたと感じた」(57歳、小学校校長)
「人事再編のため上司と折り合いが悪く、ストレスがたまっていた」(40代男性)
「新規の顧客開拓のため残業が増え、いつも疲れが残っている」(40代男性)
いずれのケースでも、仕事上の悩みが深い時期に密売人に狙われ、「心の隙間」にスっと入り込まれてしまったようだ。