待機児童対策に、政策が追いついていない
保育所入所問題の根本的な解決策はあるのか。
現行予算の枠内で考える音喜多氏は、保育料にもベビーシッター代にも使えるバウチャー(クーポン券)を子育て世帯に一律で給付するべき、と提案する。
対する駒崎氏は保育や子育てにあてる予算自体を増額すべき、と主張し、読者に「怒りましょう」「行動しましょう」「自治体に文句を言うべき」と呼びかけた。
「待機児童問題」について、政府もただ手をこまねいていただけではない。13年4月には、14年度末までに保育所の定員を20万人分、その後3年間でさらに20万人分増やし17年度末までに待機児童ゼロを目指す「待機児童解消加速化プラン」を発表。
15年9月に厚生労働省が公表した資料によると、実際、13年、14年の2年間で目標値を超えるおよそ21万人の受け皿が新たに確保された。しかし、これを受けて15年は保育所申込者数が前年度より大幅に増加、5年ぶりに待機児童数が増えてしまった。膨らみ続ける待機児童に、政策が追いついていない様子が伝わってくる。
子供を保育所に通わせる都内在住の30代女性はJ-CASTニュースの取材にこう現状を説明する。
「認可保育所はどこも一杯なので、仕事を辞めざるをえない親も多いです。入所の選考は住所や世帯年収、子供の生年月日など様々な要素を数値化した『ポイント』で決まるらしく、それを見越して子作りの時期まで調整しようとする友達もいました。こんな厳しい状況を考えれば、若い世代が子供を作るのに二の足を踏むのも仕方ないでしょうね」