元ミス・インター吉松育美「謝罪」だけ報じるスポーツ紙 「違和感を感じずにいられない」と不信募らす

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   2012年のミス・インターナショナル世界大会で日本人初の優勝を果たした吉松育美さん(28)が、芸能事務所の役員からストーカー行為を受けたと訴えていた問題は、吉松さん側が発言を「全て撤回」し、自らの非を認める謝罪文を掲載するという形で決着した。

   吉松さんは威力業務妨害で役員の男性を告訴し、男性は吉松さんを名誉棄損で反訴した末、和解した。和解条項に謝罪文の掲載が含まれていたとみられるが、吉松さんは和解を「私の力不足」だと振り返り、自らの記者会見の内容は報じられなかったにもかかわらず、謝罪文の掲載をスポーツ紙が相次いで報じたことを「違和感を感じられずにはいられないですね」と非難している。和解条項には「和解の内容を口外しない」旨が盛り込まれることが一般的だが、自らの主張が受け入れられなかったことや、和解内容には納得していないことを強くにじませた形だ。

  • 吉松さんが日本外国特派員協会で行った会見の内容も撤回された
    吉松さんが日本外国特派員協会で行った会見の内容も撤回された
  • 吉松さんが日本外国特派員協会で行った会見の内容も撤回された

当初の告訴会見、国内大手メディアの大半が黙殺

   問題が表面化したのは2013年12月だ。吉松さんが東京・霞ヶ関の司法記者クラブや有楽町の日本外国特派員協会で記者会見を開いて説明した内容によると、男性が吉松さんに対してストーカー行為を行ったうえ、ミス・インターナショナル協賛企業に圧力をかけるなどしたとされる。13年12月17日に東京で開かれたミス・インターナショナル世界大会では、吉松さんが王冠を次の代の優勝者に引き継ぐことになっていたが、主催者からは体調不良のふりをして大会出席を見合わせるように求められたとも話した。

   会見の様子は、共同通信が世界大会の様子を報じる記事の中で

「吉松さんは16日に東京都内で記者会見し、『私が脅迫などの被害に遭っているため、不安を感じた協会から「体調不良を理由に自粛してくれ』と告げられた」と説明した」

と触れた程度で、国内の大手メディアからは「黙殺状態」。逆に、J-CASTニュースなどのネットメディアや外国メディアが報じていた。

   会見では、吉松さん側は「録音や写真など多数の証拠があることが特徴」だとして、立証には自信を見せていたが、実際の立証は容易ではなかったようだ。ストーカー被害を立証するための反論書の応酬で「途方に暮れ、精神的にも疲れきった」14年夏ごろ、裁判所から一度、「妙な雰囲気」で和解の勧告があったが、当時は同意しなかったという。

   当時のブログには、

「和解の案件の中には、(中略)今まで相手が私にやってきた行為を正当化してしまうような文言も含まれており悩みに悩んだ結果、和解はしませんでした」
「これから色々と本裁判が始まるので、ご理解いただけたらと思います」

とも書き込んでいたが、これも不調に終わったようで、これらの書き込みはすでに削除されている。

   吉松さんは1年半後の16年2月10日付のブログで、

「裁判は和解に終わりました」

と、最終的に係争の終結を宣言。立証が認められずに和解を選ばざるを得なかったことに対する無念さを隠さなかった。

「私の力不足で、皆さんの応援に答える事が出来ず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。そして、私の口からはこの和解の報告以外、この件に関して何も口を開くことが出来ません」
「日本の裁判という法の下で立証するためにはどれだけ大変な思いをしなければならないのか、(経済的にも、精神的にも、法的にも)大変考えさせられる経験でした」

「こーいうネタならこぞってスポーツ紙は書くのか...」

   和解は、吉松さんにとって「完敗」に近い内容だったようだ。ブログのトップページで、ストーカー被害を訴えたことをはじめとする過去の発言を8点にわたって列挙。

「これらの記事および発言は全て撤回し、これらの記事及び発言については自分に非があることを認めます」

として、男性の名誉を棄損したことを「深くお詫び申し上げます」とする文章を掲載した。

   2月16日になって、スポーツ紙は謝罪文掲載をいっせいに報じ、ヤフーのトップニュースにも掲載された。吉松さんは、過去の自らの会見が記事化されなかったことを引き合いに、17日付けのブログでメディアに対する不信感を以下のように募らせた。

「記事の印象としては。こーいうネタならこぞってスポーツ紙は書くのか...と。以前は、あるスポーツ紙に書かれた記事は数時間後には削除されたのに。今回は削除されないんだろうな。そんな感じ。んー。私のことをどーこー書いていただけるのは、逆にありがたいとも思いますが、違和感を感じられずにはいられないですね」
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