ドライバーの側の意識も大切
関越トンネルを支える各種設備もそうだが、「交通事故が起こったときどうするか」以上に大切なのが、「交通事故を起こさないためにどうするか」という問題だ。NEXCO東日本では、雪が原因となる交通事故を防ぐため、日々対策に注力している。
たとえば、除雪トラックや凍結防止剤散布車などをはじめとする、各種の雪氷車両がその一つだ。湯沢管理事務所だけでも実に約120台の雪氷車両が配備されており、雪氷対策本部からの指示に基づき、路面を安全な状態に保っている。
「実は、一番多く受けるクレームが除雪車がらみなんです。『大して雪も降っていないのに、なんで除雪車なんか走らせているんだ』と......」(後藤副所長)
実際には、その先の道路状況や天候など、さまざまな条件を判断して除雪車の運用は行われている。「あくまで高速道路の安全を確保するため走っているということを、わかっていただきたいのですが」と後藤副所長はぽつり。
除雪車への理解も含め、NEXCO東日本をはじめとする関係者がどれだけ高速道路の安全のため努力をしても、肝心のドライバー側の意識が付いていかなければ、交通事故は減らすことができない。この日の取材中にも、関越トンネル周辺で車両トラブルが起こり、一時通行止めになる場面があった。雪が予想される地域に出かける際には、事前にNEXCO東日本のウェブサイト(ドラぷら)、また掲載されている啓発コンテンツ「マンモシ博士の冬の高速道路講座」などをチェックし、十分な備えを取りたい。