認定「民泊」に課される厳しい要件 東京五輪に宿泊施設は間に合うの?

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厚労省と内閣府が対立、結論は参院選後に持ち越し

   こんな実情の中、政府も検討を急ぐが、内部の足並みはそろっていない。

   旅館業法を所管する厚生労働省は国土交通省とともに「民泊サービスのあり方に関する検討会」を立ち上げたが、トラブル防止に力点を置くなど、かなり厳しい規制を残す姿勢で、厚労省は1月25日の会合で、カプセルホテルなどと同じ旅館業法上の「簡易宿所」に位置づける方針を示した。具体的には、都道府県知事の許可制とし、宿泊者名簿の管理、非常ベルの設置などの施設整備を求める方針だ。ただ、営業許可を出す最低客室床面積は現行の33平方メートルより緩め、宿泊定員が10人より少ない場合、1人当たり3.3平方メートルとする方向だ。

   これに対して内閣府の規制改革会議は、なるべく規制を緩めようという考えで、2015年12月、民泊を旅館業法の適用外とすることを求めた。旅館やホテルとの公平性にしばられると、自由な営業に支障をきたしかねないと懸念。現実には民泊利用が広がっている実態を追認し、緩く法の網をかける方が現実的、と判断している。内閣府の国家戦略特区諮問会議も、マンションでも民泊ができるようにすべきだとして、マンション規約の順守を求める国交省と対立している。

   ただし、こうした対立は「想定の範囲内」(大手紙経済部記者)。もともと、まず厚労省などが主張する案、つまり旅館業法の枠内で走り始め、第2段階で、同法の適用から除外し、同法とは別の新たな民泊の規制を考える、というのが官邸を中心とした構想だった。厚労省などと内閣府・規制改革会議の対立は、この第2段階を見越しての前哨戦とみればわかりやすい。

   第2段階として、官邸は新法の制定の可能性を含め、2016年度中に実施する方針だ。これは、「今年夏の参院選もにらんだ日程」(同)。民泊解禁への旅館業界の根強い反対を考慮し、選挙前に火種は持ち出さないというわけだ。

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