旅館業界は大反対、近隣とのトラブルも増加
民泊拡大の背景には、外国人旅行者急増によるホテル不足がある。2015年の訪日客は前年の1.5倍の2000万人近くになり、羽田空港を抱える大田区内のホテルなどの客室稼働率が90%を超えるなど、東京、大阪はもちろん、地方を含めホテルが足りず、なかなか予約が取れない。中国経済の減速や円高などの懸念はあるが、2020年の東京五輪に向け、訪日客は今後も増え続けると見込まれる。
一方、割安な民泊の普及は、既存の旅館などの経営を圧迫しかねず、業界を挙げた反対運動が続いている。また、大きな問題が騒音やゴミなど周囲住民とのトラブルだ。特にマンションでは、見知らぬ人が突然訪れ、住民が驚くことが増えている。エアビーアンドビーで予約する中には、予約したらオートロックの暗証番号を教えて、旅行者が自分たちだけで番号を打ち込み、マンションに入っていくというように、業者と顔さえあわさずに宿泊するようなケースも多い。これでは、住民とのトラブルが起きない方がおかしい。