コンビニ会長・社長は伊藤忠の同期
そこでコンビニ事業を仕切る人材として白羽の矢が立った澤田氏とは、どんな人物なのか。上智大理工学部を卒業して伊藤忠商事入社。その後、ファストリに移って副社長まで務めて退社し、企業再生支援ビジネスに身を投じ、直近では2005年に設立した企業経営支援コンサルティング「リヴァンプ」の社長兼最高経営責任者(CEO)を務めている。
商社といえば何十億、何百億円の商売が当たり前だが、澤田氏はほとんど書類上だけでモノを動かして口銭を稼ぐことに飽き足らず、伊藤忠在籍中も、イトーヨーカ堂グループが買収した米セブン-イレブンの再建に携わった。
その後、商社を辞め、「現場」を求めてファストリに転じ、まだ無名に近い地方の衣料チェーンにすぎなかった同社で「フリースブーム」を仕掛けるなど、成長の基礎固めに尽力。2002年に創業者の柳井正氏から後継社長就任を要請されたが、固辞して同社を去った。その後、ハンバーガーチェーンのロッテリアやバーガーキング、ドーナツ チェーンのクリスピー・クリーム・ドーナツ、アイスクリームのコールド・ストーン・クリーマリー・ジャパンなど飲食関連事業の立ち上げや経営再建に携わってきた。
上田氏は会見で、「中山氏と澤田氏は伊藤忠時代から同期で、その後も交流があった。澤田氏は小売業に造詣が深い」と、ヘッドハンティングの理由を説明した。