2015年5月に「スターバックスコーヒー」が全国で最後に出店した鳥取市。その鳥取市の15年の年間コーヒー支出金額が日本一を達成して話題となっている。
全国の県庁所在地や政令指定都市の1世帯(2人以上)当たりのコーヒーへの平均支出金額を比較したところ、鳥取市が8125円でトップに立った。前年の5976円の29位から2000円以上伸ばしての急上昇だ。2位の奈良市は7838円、3位の金沢市は7820円だった。
2014年までは唯一スタバのない県
地元の喫茶店主らでつくる鳥取珈琲文化振興会が、総務省から毎月出される家計調査の2015年分を集計して分かった。15年12月分の家計調査が発表された2016年1月末に日本一が確定すると、関係者らは鳥取市内のホテルに集まってコーヒーで祝杯を上げ、喜びを分かち合ったという。
鳥取といえば、全国の都道府県で最後までスタバが出店しておらず、それを逆手に取った平井伸治知事が鳥取砂丘にかけて「スタバはないけど日本一のスナバ(砂場)がある」と発言。これがネット上で話題となり、全国で唯一スタバがない県として脚光を浴びるようになった。
知事のダジャレを受け、14年には鳥取市に地元企業が経営する「すなば珈琲」がオープン。15年5月には、ついにスタバが進出した。出店の際にはすなば珈琲がスタバを黒船に見立てて「いよいよこの時がやってまいりました。これからもスナバを応援してください!!」として「大ピンチキャンペーン」と銘打ったイベントなどを展開。いずれも全国的なニュースとなり、結果的には鳥取県をPRできたうえ、地元へのコーヒー周知にもつながった。
「砂場はある」発言の知事も異例のコメント
鳥取市の1位躍進には、「知事発言からの一連の盛り上がりが一般家庭にも及んだのでないか」と、スタバ進出と前後する一連の「騒動」との相乗効果を指摘する声もある。この「偉業」達成に、平井知事も「鳥取式の珈琲文化を育み、全国の皆様をお迎えしていきたい」とのコメントを出した。
鳥取市1位のニュースを受けてネット上では、「スタバ、すなばで今後もコーヒーブームが続きそうだ」「いきなりコーヒー好きになったんか」「ほほえましい」「黒船スタバとすなばとか地元が頑張ったから1位っておもしろい」などさまざまな声があがった。ただ、「東京にはコーヒー店も多く、豆も売っている場所も多いはずなのになぜ」「鳥取が。ほんとかよ。疑わしい」など疑問視するコメントもみられる。