北陸新幹線「敦賀」以西ルートは5案乱立へ 参院選前の決着めぐり「我田引鉄」の混迷

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「並行在来線」の第3セクター化でも利害錯綜

   今後、従来の3案と「小浜・京都ルート」、「西田案」の5案の綱引きが始まる。運行を担うJR西日本が提示した「小浜・京都ルート」が有力な選択肢に浮上したのは間違いないが、それでスンナリいくほど簡単ではなさそう。

   例えば、新幹線開通に伴い「並行在来線」はJRから切り離して第3セクターにすることになり、どの線を切り離すかという新たな問題も生じる。並行在来線は、「米原ルート」ならJR北陸線、「小浜・京都ルート」になるとJR湖西線になるという。「地域の足」に関わり、自治体が赤字補てんなどの負担を背負うことになるだけに、この点でも利害が錯綜する。

   そもそも、敦賀以西の財源が現時点では確保できていない。国土交通省は着工の条件として、安定的な財源の見通しや収支の採算性、投資効果などを挙げている。しかし、「与党PTがルートの絞り込みを急ぐのは、参院選向けに有権者にアピールするのが狙いでは」(JR関係者)と、拙速を懸念する声も出ている。

   「我田引水」ならぬ「我田引鉄」は政治家を巻き込んだ争いを生んできた。選挙が近づくにつれ、北陸新幹線をめぐる利権争いは、各自治体を巻き込んだ迷走状態に入る可能性もある。

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