「じゃあ、恥をかいてきなさい」――この一言が、意外にも彼女の株を上げている。不倫問題で辞職を表明した宮崎謙介衆院議員の妻・金子恵美衆院議員(37)である。
2016年2月12日の会見で余計に男を下げた格好の夫に対し、金子議員の態度には、好感度が上がった、との反応が少なくない。「強妻」金子議員は、いったいどんな人物なのか。
自民の重鎮議員も驚いた「肝の据わり」ぶり
ここに一冊の本がある。国会議員当選直前、独身時代に出版された金子議員の著書『それでも、私が政治家になる理由』(2011年、ポプラ社)だ。
表紙は金子議員の写真を大きくあしらい、前半にはミス日本関東代表に選ばれ、留学を機に政治を志した、といった経歴などが、やわらかい文章でつづられている。一方で、後半では、「日本の歴史教育は不十分」「自主憲法制定を目指す」といった主張にページが割かれていたり、
「現行憲法は戦後、アメリカによって半ば強制的に押し付けられたものです」
「現代社会ではあまりにも『長幼の序』という精神が失われ、混乱をきたしていると憂いるばかりです」
と強調したりと、保守的な論調の強さも目に付く。当時の民主党政権にもまるまる一章を使って「攻撃」を加えており、「美人政治家」という外見とは違う、いささかコワモテな印象だ。
今回の不倫騒動でも、その強さが発揮された。注目を集める「恥をかいて~」発言は複数のメディアが取り上げているが、中でも詳しく報じた12日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)によれば、出産入院中の金子議員の病室に宮崎議員、そして所属する自民党二階派の重鎮らが集まった場面でのことだったという。
金子議員は重鎮らの前で「やり直したい」と懇願する宮崎議員を「しっかりしなさい」と叱咤しつつ、自分の口から事の次第を白状させ、「じゃあ、恥をかいてきなさい」と一喝したのだ。さらに自らも出産直後の身ながら、涙ながらに重鎮議員らに頭を下げた。この振る舞いには、さすがの先輩政治家たちも舌を巻いたという。