ホウ素の「的」増やして中性子当たる確率増やす
この「7センチの壁」を超えるための研究が、東京大の片岡一則教授の下で進められている。片岡教授は、抗がん剤を極小のカプセルで包んだ薬剤「ナノマシン」を開発したが、これを応用しようというのだ。つまり、ホウ素製剤をカプセルにくるみ、がん細胞に集中的に届ける。
片岡「(中性子照射の前に、ホウ素の)的を増やすわけです。すると、より効率よく中性子がそこに反応して、放射線が出る」
この方法なら、現在の方法と比べてホウ素の集積度が20倍に上がる可能性があるそうだ。すると、たとえ7センチより深い場所に届く中性子が少ないとしても、「的に当たる」確率はぐっと高まる。
ホウ素中性子捕捉療法は臨床試験の最終段階で、ナノマシンも「ホウ素の製剤をカプセルに入れて使えばいい」状態。つまり、実用への見通しも立ってきているそうだ。安全性の確認を十分に行う必要があるが、片岡教授は5年ほどで十分に臨床までいける可能性があるという。
スタジオでは玉川リポーターに、コメンテーターで女優の高木美保、羽鳥慎一アナ、宇賀なつみアナが質問をぶつけた。
高木「あの機械(加速器)、いくらぐらいですか」
玉川「10億くらい...だからお金はかかります。その代り小さいので、でっかい施設はいりません」
羽鳥「治療はやっぱりお金がかかる?」
玉川「最初は先進医療にはなるんじゃないでしょうかね」
宇賀「今の若い人たちが40、50代になるころには、常識がガラっと変わっているわけですよね」
玉川「変わっていると思います」