いずれ海外巻き込み「再編第2波」が来る
「日の丸パソコン」が実現しても、バラ色の未来が約束されるわけではない。そもそも、コモディティー化の進展で、パソコンのハード自体の儲けは大きく期待できない中で、IBMはパソコン生産に見切りをつけてレノボに事業譲渡し、ITソリューションなどサービス企業に転換したように、クラウドなど新たな戦略をどう展開するかが課題になる。
そこで、強みをどう生かして相乗効果を生むかが鍵になる。東芝は、ノートPCで実績があり、北米市場を中心に「ダイナブック」は一定のブランド力を持つ。富士通は、国内生産の強みで保険、金融分野などに強い。VAIOは、ソニーの遺伝子を残して"尖った"製品開発が期待される。3社が、それぞれの技術やノウハウを持ち寄って新しいPCを創出できるか、注目される。
もう一つの注目点は統合会社の資本構成だ。VAIOに出資するJIPが統合会社の株主に名を連ねるのは確実だが、ファンドにとっては資金回収が最大課題。株式公開を含め、どんな「出口戦略」の絵を描くのか。業界では「いずれ海外勢を含めた再編の第2段階が来るかもしれない」ともささやかれている。